日曜日
洗濯物を叩く音が脳の奥に微かに響いてくる。
AM11:06
俺は目覚めた。まだ眠い。
パタパタと洗濯物を叩く音とパンの匂いが
俺の意識をより鮮明にする。
「焦げてんで。」
俺は目を擦りながら呟いた。
「えーっっ」
ミナミは洗濯物を放り出してトースターの方へ
駆けて行った。
今日は14:30からの映画アラジンを見に行く予定だ。
バタバタはしたがシャワーを浴び朝ごはんを済ませ
俺たちは家を出た。
車ではミナミが大好きなブルーノマーズをかけるか
尾崎をかけるかでプチ喧嘩。
もちろんブルーノマーズをかけることになる。
俺はそんなしょーもないことに一生懸命になる
ミナミを見て可愛さを再確認する。
程なくしてキャナルシティに着き、映画館へ。
チケットを購入しシアター16を目指し3階に向かう。
ポップコーンを買い席に着く。
塩とキャラメルのハーフアンドハーフ。
予告を見ながら
「これめっちゃ見たい!!」
というミナミを見ながら俺は幸せを
ポップコーンとともに味わう。
映画が終わり、俺たちは夜ご飯を食べて解散。
車で彼女の家まで送りお別れのキス。
とても幸せだ。
さぁ、あとはこの素晴らしい日曜日を
風俗に行って終えるとしよう。
陸
今日は俺の友達について書こうと思う。
そいつの名は、そうだな。理久(りく)とでも言っておこう。
会社の同期なのだが長い間一緒に時を過ごした。
こいつはとてもいいやつで節約家。
腐れかけのバナナを一日中食べている男だ。
ある日彼は腹が減りすぎて性欲が湧いてきたため、
デリヘルを呼んだ。
店の名前は「当店の人妻は半端じゃない」
まるで人妻が後ろ向きのボールをトラップしたかのような名前だが、彼はその「半端じゃない」という言葉を信じて疑わなかった。
電話をかけ待っていると30分もしないうちにドアベルが鳴った。
そこに立っていたのはタイとのハーフのババア。
完全に萎えた理久は5分でイッた。
彼はこれでは悔しいと思い、もう1店舗に電話した。
次は若い子をと願いを込め、JK系の店を選んだ。
程なく待っているとドアベルが鳴り、ドアを開けた。
立っていたのはシンガポールとのハーフのもちろんババア。
ババアはそそくさと部屋に入るとトイレのドアを開けたまま用を足した。
完全に萎えきった理久は5分でイッた。
別れ
今日で3ヶ月間過ごした仲間たちと別れる。
あいつは長野、あいつは大阪、あいつは仙台、様々な地域に飛び出すことになる。
俺は福岡。生まれ育った街だ。
出会いがあれば必ず別れがある。
できれば俺も離れたくないし、ずっと一緒にいたい。
この気持ち・・・
俺はふと思い出した。
「延長どうしますか?」
Dカップの童顔だけどエロそうな女が俺に問うた。
財布の中を覗くとしおれた千円札が2枚しかない。
「今日はやめときます。また来ます。」
俺はどうしようもない自分の気持ちを押し殺し
答えた。
そして後日、また会いに行きイチャイチャした。
仲間との別れも同じこと。
ずっとは一緒にいられないけれど、また会うことはできる。
その子がお店にいる限り、仲間が生きている限り
また会えるのである。
俺はまた会った時に恥ずかしくないように爪を切り、営業成績を残すまで。
それではみなさんお元気で。
また会おうぞ。
扉
生きていると扉を開く場面は多々ある。
人は扉があれば開きたがるのである。
もっと言えば閉じているものを開けたいのである。
俺もそうだ。
この先に広がっている景色はどんなだろう。
そんな気持ちを込めて、ドアノブに手をかける。
そして開ける。
そしたらなんということでしょう!!!
見たことのないおデブさんが立っているではありませんか!!!
120分18000円。
働き始めた俺にとってこの金額は安いとはとても言えない。
俺は120分18000円を払って体調の悪いフリをした。
まぁ、この経験も勉強になったという点では
人生の扉を開けたのかもしれないな。
人生
人生ってなんだろう。
たまに問いかける。三日に一回、いや二日に一回の時もある。
その度に俺はこう答える。
「うるせーよ」と。
人生ってなんだろう。
って問いかけているその瞬間も人生。
つまり人生って刹那に過ぎゆくものの集合体に過ぎないのではないか?
ならば何が大切か。そう、その一瞬を大切にすること。
さぁ、金の心配はせず、風俗に行こう。