熱い缶コフィー diary

気持ちを込めて書かさせていただいてます。

はしがき

 

私は、その男の写真を三葉、見たことがある。

 

一葉は、その男の少年時代とでもいうべきであろうか。八歳前後かと推測される。

 

野球をしているのだろうか。

色黒で使い古したキャップを被っている。

ちんぽの皮も被っていることが易く推測される

くらい幼き顔である。

周りには同じようなガキンチョが数人群れている。

 

男は、真剣に何かを選んでいる様子である。

ほかに、何の欲望見えない。

ただ、一点に集中しその「モノ」にのみ

全神経を集中させている。

 

しかし、その姿の陰に少しばかりの野望が

見受けられる。

 

八歳程の精通もしていないガキに

少なからず野望がうかがえる。

 

何とも奇妙な写真である。

 

第二葉の写真の顔は、これまた何とも奇妙で

今度は何か神妙な面を垂らしている。

 

学生服に身を纏った男は、誰一人居ない教室で

ただ一点を見つめている。

 

その面持ちは、何と言えばいいだろうか。

「葛藤」という言葉を使うべきであろうか。

 

自分の欲望と理性を天秤にかけ、

考え込んで佇んでいる。

 

世間の生きづらささえ感じさせるその表情に

私は恐ろしさを覚える。

 

もう一葉の写真は、成人した姿だろうか。

垢抜けており、大人の身体つきである。

 

夜道を友と思われる男と二人で歩いており、

どちらの顔も疲れきり、戦争に負けたような

絶望感が伺える。

 

何ともカッコ悪い様で、

何とも私に嫌な気持ちにさせる。

明日を生きる光さえも感じさせない、

只々寂しい表情である。