運命の出逢い
よく「運命の出逢い」という言葉を耳にする。
その度に1年半彼女のいない俺は
"しょーもない"という言葉で片付けていた。
しかし、今までの俺の考えを一転させる
出来事が起きた。
俺は地下街をスマホを見ながら1人で歩いていた。
すると、前の障害物を避けようとした女性が
こちらにぶつかってきた。
本来ならば、避ける事が出来たが、
俺はスマートニュースの恋愛コラムに夢中で
気がつかなかった。
「あ、すみません!!」
と女は言った。
「これが運命ってやつか」
と俺は思った。
美女の街博多で、女性とぶつかったのである。
こんな低い確率を引き当てたのである。
「いえ、大丈夫ですか?」
と振り向いた俺は驚いて、
先ほど食べたチキン南蛮が飛び出しそうだった。
ニキビ面のぽっちゃり女がよろけて
立っていたのである。
俺は運命を責めた。
これが美女ならば・・・
今日決めたことはただ一つ。
街を歩く時はスマホを見ながら歩こう。